vol.44 この機会に保険を見直そう!その6
それ、知らなかった!保障はどこまで備える必要があるの?!
前号から続き収入保障保険を更に詳しく見ていきます。
収入保障保険には「死亡・高度障害状態」だけでなく、「障害状態」、「介護状態」、「就労不能状態(メンタル就労不能)」など、様々なリスクにも対応・保障される商品のラインナップがあります。
更に、特定疾病に罹患(りかん)し一定の条件を満たせば保険料が免除されるものもあります。
収入保障保険に限らず、生命保険は死亡だけでなく「高度障害状態」の保障がされることをご存知ですか?
これを知らずに保険金請求されないことが多いので覚えておいてくださいね。
高度障害状態とは以下の状態を指します。(少し難しい用語ですが、各保険会社ほぼ同様です。)
・両目の視力を全く永久に失った
・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失った
・中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を必要とする
・両上肢とも、手関節以上で失った、またはその用を全く永久に失った
・両下肢とも、足関節以上で失った、またはその用を全く永久に失った
・1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったか、その用を全く永久に失った
・1上肢の用を全く永久に失い、かつ1下肢を足関節以上で失った
これに追加して更なるリスクに備える特則(契約時にのみ選択可能)や特約(契約時に付加、)契約後に追加可能)があります。
各社名称が異なることもありますが、内容はほぼ同様で保険金支払条件に違いがあります。
「生活障害保障」
・約款所定の特別障害状態になった
「生活介護保障」
・公的介護保険制度に定める要介護〇以上の状態と認定された
・満65才未満の被保険者について約款所定の生活介護状態が〇〇日以上継続したと医師が認定した
「就労不能障害保障」
・国民年金法にもとづき、障害等級〇級に認定された(精神障害状態を含まない)
・約款所定の就労不能状態になった
「メンタル就労不能一時金保障」
・国民年金法にもとづき、障害等級〇級第〇号に認定された
・約款所定のメンタル就労不能状態になった
死亡や高度障害ではない状態でも保険金が支払われるのですが、各社その支払条件が異なり、保険料に反映されます。
生活介護状態を例にとると、「要介護1」よりも「要介護2」の方が公的介護認定条件として厳しくなりますので、要介護1で保険金が下りる方が、支払条件として緩い訳です。
言うまでもないですが、保険料は支払条件が緩いほど高めに、反対に厳しいほど安くなります。保障内容及び支払条件が同じなら保険料が安い方を選びたいですね。
更に、特定の疾病に罹患し、一定の条件を満たすと満期までの保険料が免除され保障が続く特則(契約時のみ選択可能)が付加できます。
その条件例は以下になります。
・悪性がんと診断された(保障開始日91日目以降)
・心疾患で入院
・脳血管疾患で入院
特に心疾患と脳血管疾患の条件で生命保険各社がしのぎの削り合いをしています。
例えば、以下の条件は適応条件として厳しい内容です。
・急性心筋梗塞に罹患し、60日以上、労働制限を必要とする状態が継続した、もしくは約款所定の手術をした
・脳卒中に罹患し、60日以上、言語障害・麻痺などの後遺症が継続した、もしくは約款所定の手術をした
心疾患・脳血管疾患は厚生労働省が定めた定義で記号により分類されています。
心疾患の傘下にかなり限られた病状の急性心筋梗塞があり、また同様に脳血管疾患の傘下にかなり限られた病状の脳卒中があります。
下図は心疾患の疾病例(分類コード)です。(下図参照) ご覧のように急性心筋梗塞(青マーカー)は数多くある心疾患のひとつです。
しかも、急性心筋梗塞は心疾患全体の2%程度しかありません。(下図参照)
保障条件を緩くする(保険金支払条件を有利にする)にはできる限り上位の分類を選ぶ必要があり、それが保険料に反映することになります。
世の中では、三大疾病もしくは特定疾病として謳いますが、その適応条件には大きな差異があることを認識してください。
希望する保障内容や適応条件と保険料を比べて保険商品を選ぶことが重要になります。
しかしながら、大切なことは、あまり心配し過ぎて保障を増やし過ぎないことです。
あくまで「もしも」に備えることが目的ですので、これもあれもと不測の事態を想像し過ぎないことだと思います。
次回も更に詳しく説明します。